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Dr.パルナサスの鏡。

The Imaginarium of Doctor Parnassus
Dr.パルナサスの鏡。_b0046078_20412284.jpg公式サイト
ストーリー:数世紀前に悪魔との賭けにより不死の命を手に入れたパルナサス博士は、自分の娘を16歳の誕生日に悪魔に引き渡さねばならなくなり、苦悩していた。彼は自身の率いる、他人の想像の世界を垣間見る鏡の見世物を巡り、パーシーら古くからの仲間とともに興行を続けながら、何とか悪魔との賭けに勝利する手立てを画策していた。そんな折、博士はタロット占いの「吊られた男」のカードが示した、橋の上から吊るされた若者トニーを死から救う。助けられたトニーは商才を発揮して見世物を繁盛させ、博士の助けとなるが、悪魔との賭けのタイムリミットは目前に迫っていた。



久しぶりに映画館で見ましたよ。
是が非でもこれだけは見てないとな!と思って。
テリー・ギリアム作品としてはライトな作品になってましたね。ローズ~みたいにある意味グロデスクに仕上がってたらどうしようかとww
どう考えても単館系の映画でしたが、キャスティングのお陰でデカイ所で上映されましたよって感じでしたね。もっと大作系(あえて言うならティム系?)を期待して見に行ったら( ゚д゚)ポカーンだろうなぁ。実際後ろの席の若いお嬢さんが、「え?これただのかわいそうなおじいさんの話?」とか上映後に感想言ってて笑ったww最終的にじいさん別に可哀そうでもなかっただろ?!むしろ自業自得だけどかわいそうだったのトニーじゃん?
で、現実のトニーを演じるヒースですよ。個人的に大改装後のドクターを紹介するセリフ回しがすっごいヒースらしく思えて好きです。この映画幸いなのは現実世界を全部取り終えてヒースが逝った事だよな。じゃなきゃ続行は無理だっただろうし。たぶん全編ヒースだったら単館だったんだろーなぁと思う。
良い味だしてたのは悪魔を演じたトム・ウェイツ。お人よしの悪魔ってどうよ、と思ったけどチャーミングで素敵でした。彼が雲の上をつたって歩くシーンが妙に好きです。
あとはオースティンパワーズでミニ・ミーを演じてた、ヴァーン・トロイヤー。博士に冷たいのがいいwwそして彼ももしかして契約しちゃってるんですか?生き過ぎな気がするんですけど。いつから博士と一緒なのよ。
多少ネタバレすると、ジョニー→ジュード→コリンの順番で出るんだけど、この順番の巧みさに参った。ジョニーはトニーの顔が初めて変わって、トニー本人も驚いているて役なんですが、最初は仮面してるから観客はわかんないんですよ。ぱっと見。自分、ジョニーのキモオタなので声で反応してしまったんですがww演技がモロヒースがやってるトニーで鳥肌が立ちました。演技派って怖えぇー。
1回目はトニーも上手い事理解してなかったから、外のトニーとあんまり変化はないわけですよ。でも、2回目、3回目は外のトニーの隠していた内面が出てくるのでそこまで演技マル被りじゃなくてもおkなんだと勝手に解釈しました。まぁたぶん正確なところは役者達のスケジュール的なものもあったと思いますけどね。いや、別にコリンが一番暇してるとか言ってないし!
ジョニのシーンではセックシーな兄さんが楽しめて、ジュードのシーンではギリアムらしい、ばかばかしくも毒々しいコミカルさが垣間見え、コリンのシーンでは野獣が出ます。www全体通してコリンは野獣でした。ダブリンの暴れん棒の名に恥じない素晴らしい獣っぷりでした。ナイス配役!
一番思い入れないのがジュードってばれますね。正直ジュードの眼の下ラインメイクは設定上必要だったったとしてもキモかった。

作品としては、ローズインタイドランドに耐えられなかった人でも大丈夫!今回のギリアムはやさしいぜ!とだけ言っておく。
本当の意味でのヒースの遺作が見れて嬉しかったです。お蔵入りって可能性もあったわけだしね。
彼が逝った時、誰よりもつらかったのは友人でもあった監督なんだろうなと思ったわ。
ファンとして、この世にこの作品をだしてくれてありがとう!と心から思いました。

そうだ!エンドロールが終わって携帯着信音が鳴り響きます。
これ、作品中にトニーの携帯で使われていた音であり、実際にヒースが使用していた音でもあるそうです。
あの音は監督からヒースへの追悼のメッセージなのかな、と勝手に思いました。
フェードアウトして消えていくのが物悲しいですが、それが消えてしまったヒースの命とも、監督のさみしいよって気持ちとも取れてちょっと切ないです。



のぞいてみたい?あなたの欲望。
by nichika-1958 | 2010-02-22 21:21 | 映画。