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クラッシュ。

Crash
クラッシュ。_b0046078_842728.jpg公式サイト
ストーリー: クリスマス間近のロサンゼルス。黒人刑事のグラハムは、相棒であり恋人でもあるスペイン系のリアと追突事故に巻き込まれる。彼は偶然事故現場近くで発見された黒人男性の死体に引き付けられる……。


見る気なかったんですが・・・。
面白かった!!
ミリオンダラーベイビーの製作・脚本のポール・ハギスの初監督作品。
初かよ!と思わせる素晴らしい出来だと思う。

最初にひとつの事故がおきる。そしてその事故現場の近くで殺人事件の操作中。
そこを見に行く、事故車の助手席にいた黒人男性。話し振りから彼も警察関係者のようだ。
そしてそこから前日の事へと場面は飛ぶ。

そんな感じでスタートするオープニング。

ブラックの青年2人(クリス"リュダクリス"ブリッジス、ラレンツ・テイト)、地方検事の男性(ブレンダン・フレイザー)とその妻(サンドラ・ブロック)。TVのプロデューサーの男性(テレンス・ハワード)とその妻(サンディ・ニュートン)。尿道炎の父とその息子の警官(マット・ディロン)、そしてその相棒(ライアン・フィリップ)。小さな店を営むペルシャ系男性(ショーン・トーブ)とその娘(バハー・スーメク)。小さな娘の父である鍵屋(マイケル・ペニャ)。知事のそして冒頭に登場した黒人の刑事(ドン・チードル)とその相棒の女性刑事(ジェニファー・エスポジト)。あ、ラストの方に黒人警官と取引をする人(ウィリアム・フィットナー)、どうも検事側の人間だと思うんだけど・・。この人の立場は何になるんだろう?

舞台は天使の街ロサンゼルス。なんてゆうか、リアルだった。
登場人物達が少しずつ関わって、1つのエピソードがリンクしあっているお話だった。
鍵屋のヒスパニック系男性とその娘のお話が好き。透明のマントで父を守った少女の話。
あとは黒人警官の話。いなくなった弟を探し続ける母思いの人。誰にも何も打ち明けず、1人で戦い続けている。すっごくラストが切なかった。
でも人生ってそんなものだなって思った。
あとは、やっぱり警官の彼の話かな。人間の多面性を見せる話。最悪な出会いで憎しみを持った相手が次の瞬間には命の恩人になってしまう。
完全なる悪人はいない。完全なる善人もいない。そう思ったエピソード。
正義を信じていた青年警官の話は少し後味が悪かった。ただ悲しい。そんな話。
人種も多種多様です。だからなのか、人種差別の話が凄く前面に出ていた。日常にある、些細な、ソレでいて残酷な差別。あの街が抱える問題がそのまま浮き彫りになっている感じがした。

人間という者の、尊さと醜さを戦争映画以外で初めて見たような気がした。
というか日常でココまで見せるのが凄い。
下手な戦争映画より、生々しい映画でした。
個人的に大絶賛!


誰かが救われ、誰かが悲しむ。世界はつながっている。全ては連鎖する。
by nichika-1958 | 2006-02-17 08:05 | 映画。